「とりあえず吸入してから仕事してください」 「……はい」 「じゃあ俺は行くから」 診察したことで安心したのか、 大地は先に仕事へ向かった。 「なに、その寂しそうな目は」 「っ…そんな目してません!」 出ていった大地を捨てられた仔犬のような目で見つめている優苗に突っ込むと、 恥ずかしかったのか真っ赤な顔で否定してきた。 相変わらずこのふたりはラブラブだ。 ラブラブなんて、今どき古臭いのかもしれないけど。