後ずさりしていく優苗。 ……どんどん壁側に行っていることには気が付いてないようだ。 「………ちょっと、あんまり動くとまた苦しくなるよ」 たった数回吸っただけなので、 いつまた発作になるかも分からない。 それは嫌だと判断したのか、 自分から捲りあげた。 「ん、じゃあちゃんと息して」 「ちゃんと温めた?」 優苗が嫌いなのは、 この冷たい金属があたることらしい。 しっかり手で温めて胸にあてる。