薬を手渡すと、嫌そうな顔をしながらもなんとか飲み込んだ。 「今日これ以上はやめにしよう」 「でもっ」 「沙衣が倒れちゃ元も子もない」 涙の浮かんだ目頭をそっと拭ってやる。 「片付けなんてこれからいつでも出来るんだしさ」 ちょっとずつでもやっていけばいい。 そう言うと少しはにかんで、 「ありがと」 と小さな声で言った。