「………離乳食?」




「うん、そろそろかなぁって」




そう言う優苗は片手に、
〝はじめての離乳食〟という料理本らしきものを持っている。



当の本人はというと、リビングに作った柵の中でガラガラとおもちゃを鳴らしながら笑っている。


マットの周りに置くだけで、
赤ちゃんの行動範囲を制限出来るなんとも便利な道具。


初孫が大好きな俺の母親が抱えて持ってきてくれた。




「………あげるのなんだか怖いんだけど」




「最初はそんなもんじゃない?」




「でも……」



ああでもない、こうでもないとペラペラとページをめくる優苗をよそに、

俺と愛永はマットの上で寝っ転がる。