「違う、違うの」 また泣き出しそうになる奈央の背中をさする。 華奢で小さな背中。 こんな小さな背中で、たくさんの大きなことを背負ってきたのだろう。 「やめて欲しくなんてないっ…」 荒くなる呼吸を落ち着かせる。 「深呼吸して」 「ん…」 少しずつ落ち着く呼吸を感じながら、そっと奈央の顔を覗き込んだ。 「じゃあ俺、まだお医者さん頑張って続けるからさ」 「うん」 「奈央も我慢しないで」 「…はい」