「多分これで熱は下がると思うから」
「ありがとうございます…脱水なりそうでちょっと怖かったから」
愛永は具合が悪いと飲み物さえ飲まなくなる。
気分が悪いわけではないらしく、口に入れたものすべてを出してしまう。
水もちょっとしか飲まないから、高熱のときはもっぱら点滴頼りだ。
「あとで大地にも連絡しとくから」
「ありがとうございます」
「優苗さんも無理しないように」
わたしの顔色を見てか、心配してくれる。
大地だとつい反抗してしまうけれど、湊くんだと素直にお礼が言える。
「ありがとうございます、大丈夫です」
「まあ大地がいるから大丈夫か」
割と過保護だもんなあいつ、と笑った。