「ほら、よいしょっと」



軽々と愛永を抱っこして処置室へと向かう湊くん。

腕の中の愛永はぎゃんぎゃん叫んでいる。


大地はわたしに似ただなんて言うけど、さすがのわたしもここまで酷くはないと思う。



「ほら愛永ちゃん、見て」



湊くんが愛永の好きなキャラクターのぬいぐるみを見せる。

単純だからあっという間に泣き止んで、マスクを付けられている。



「かわい、すーき!」


湊くんの持つぬいぐるみに抱きついて、にこにことしている。

そのうちにサッと点滴を刺す。



…ほんと、さすがだ。



あんまり痛くなかったのか、一瞬固まったけどそのまま遊びだした。



「さすがですね」


「毎日子供の相手してるとね」



看護師さんとにこにこしながらお喋りしている。

…苦しくないのか心配になるけど。