「愛永ちゃん、おはよう」
「いやー!」
湊くんを見た瞬間、わたしの首にしがみついてきた。
よっぽど怖いらしい。
「ほら、怖くないからね」
よしよしとあやしながら、抱っこしたまま座る。
「かなり怖がられてるね」
湊くんも苦笑するしかない。
「38.2度か……解熱剤は?」
「明け方40度超えたので1回入れました」
「んー、それでこれか…」
「せんせ、いや」
明け方よりはかなりましになったのかよく喋る。
湊くんを指差すから、慌ててその手を抑えた。
「ふふ、愛永ちゃん楽しそうだね」
そう言いながら、湊くんはそっと聴診器を潜り込ませた。