「寝ないと保育園行けないよ?」



「いーや!」



熱があるのにどこからこの声は出てくるのか。

興奮させるわけにもいかないので、はいはい、と落ち着かせる。



「…ぱぁぱ」



「ん?」



「ちゅーちゃ、いや」



病院で言われたのか。

注射嫌いも優苗に似たのだろう。



「注射嫌?だったら寝ないと」



「…や」



「湊先生が来ちゃうよ」



「いや」



湊のところへ行くと嫌なことしかされないからか、愛永は湊が怖い人だと思っている。

あんまり良くないことだけど、ある程度大きくならないと分からないのだから仕方ない。