「ちょ、どうして泣くの?!」



慌てて沙衣ちゃんの涙を拭って、背中をさすってやる真鍋。



「ごめんね…ありがとう」



ありがとう、の言葉を聞いて真鍋の顔にも笑みが浮かんだ。



こうやって、夫婦はわかり合っていくものなのだと思う。

少しずつ積み重ねながら。




なかなかうちは積み重ならないなあ、と真鍋と沙衣ちゃんを見ながら優苗を思い浮かべた。