「ごめん、やっぱり入院してもらうね」
点滴を受けながら横になる沙衣ちゃんに声をかけた。
「……てわけで、真鍋呼ぶよ」
「いや」
「でも呼ばないと。どうしようもない」
「……」
何度か吐いて、吐き気止めが効いてきたこともあり話はできるようだ。
未だに顔色は悪いので、まだ立たせるわけにはいかない。
不服そうな沙衣ちゃんを横目に、真鍋に連絡をとった。
「…はーい、よろしく」
電話を切って、目を瞑っていた沙衣ちゃんの肩をトンと軽く叩いた。
「真鍋、あと10分くらいで来るって」
「……」
怒っているのか、うんともすんとも言わない。