「とりあえず、採血と点滴するね」



吐き気止めを入れてやらないと、眠ることもできないはず。

そして採血の結果次第では入院も考えないと。



目眩と吐き気に耐えているのか、目を瞑って胸に手を当てている。

息も荒く、今にも意識を飛ばしそうだ。



「沙衣ちゃん、横になれる?」



ふるふると首を振るので、とりあえず座ったまま壁に寄りかからせた。



「……きつい」



ぽろぽろと涙を零しながら訴える沙衣ちゃんに胸が痛んだ。

とりあえず今のこの状況をなんとかしてやらないと。