ベッドの隣に椅子を出して座る。
「そんなに真鍋や俺に言うのが嫌なの?」
「そういうわけじゃない、けど」
ゆっくりと息を吐く優苗の前髪をそっとかき分けた。
「別に迷惑とか思ってないし、考えなくていいから」
「そうだけど…」
「忙しくて無理しなきゃいけないこともあるかもしれないけどさ、そういうときこそ頼って欲しいんだけど」
「…わかった」
このわかった、も一時的なもので。
すぐに我慢しだすのは分かっている。
だけど何度も言わないと優苗はわかってくれない。
言い続けない限りきっと溜め込んでしまうのがわかっているからこそ、何度も同じことを言うのだ。