「ほーら、だから言ったのに」 朝からリビングで転がっている優苗に向かいそう言った。 愛永は昨日から実家に預けている。 だから今朝はゆっくり出来るはずだったのに。 「一昨日の時点で、真鍋のところ行けって言ったよね」 「だってバタバタしてたら忘れてたんだもん」 「薬は」 「……無い」 は、と言いたくなるのを抑えて優苗に近寄る。 「ちょっと、」 「なに、音も聞かせてくれないの?」 嫌がる優苗を前に、一旦聴診器を戻した。