何分たったか何時間経ったか。

玄関の鍵が開く音がして、湊が帰ってきた。



「ただいま………奈央?」



キッチンに座り込んだわたしに驚いたのか、カバンも置かずに寄ってきた。



「どうした?」



「……オム、ライス」



「作ってたの?」



こくん、と頷く。



「でもっ……」



ここまで言って涙が溢れてきた。



「……ごめん、ね」



考えれば考えるほど涙が止まらなくて嗚咽がでる。



「よしよし」



湊がわたしをギュッと抱きしめて背中をさすってくれる。

まるで子供みたいだ。