「なに、俺が気付かないとでも思ったわけ?」



ぽん、と頭に乗せられる手は大きくて優しい。



「何年一緒にいると思ってんの」



行くよ、とシートベルトを促して前を向く大地。

横顔を見ながら、やっぱり大地には敵わないなぁと思った。



「ありがと」



「ん」



そっけない返事もなんだか愛おしく感じた。