「だって……」



「まあ入院とかそこまではないかな。とりあえず今から吸入して」



「でも仕事…」



「吸入後30分経ってから」



仕事を理由に逃げようと思ったけど無理だった。



「優苗、仕事を優先して体壊しても意味ない。医者ならなおさら」



そんなのは分かり切ってる。
だけどそれでも上手くいかない自分の体に嫌気がさした。



「泣くなよ、俺だって泣かせたくて言ってんじゃないよ」



それもわかってる。
真鍋先生が真剣に考えてることだって。

大地が心配してくれてることだって。