「はい、これ付けて」 渡された吸入器を口に押し当てて、必死に吸おうとするけどなかなかうまく吸えない。 昔から吸入は苦手だ。 「ゆっくりでいいから」 優しく背中をさする大地の大きな手。 この手に触れるといつもより安心できる。 20分以上の時間をかけて吸って、ようやく発作も落ち着いた。 「なーんか、いやな感じだね」 背中に聴診器をあてて音を聞きながら、そう大地がつぶやく。 「最近なんかおかしいとこある?」 「ううん、特にない」 「そっか…」