「………あと二週間、ということになりました」




「そっか……真鍋には話した?」




「いや、まだ…」




「早く言わないと、あいつ意外と気にするからな、そういうこと」



職場に辞表を提出したその日、
定期検診で大地くんのもとに来た。




「沙衣ちゃんは大丈夫?」



「あ、職場の人にも理解してもらえて。怒られませんでした」



「いや、そうじゃなくて」




「え?」




「会社辞めたこと、後悔してない?」




診察室でわたしを見て話すその目は、
なんだかわたしの心の中を全て見透かしているかのようで。


なんだかいたたまれなくなったわたしは、思わずその視線を逸らしてしまった。