「………で、ようやく来たってわけね」




カルテに記入し終えてクルリと振り向くと、
バツの悪そうに座る優苗とその後ろに立つ大地。

顔はホッとしてる、といったところだろう。




「無理やりだけどな」




「………だってわたしは別に!」




「別に何だよ」




「………何もない」




言葉だけ聞くと元気がありそうだが、
目の前にいる優苗は顔が真っ赤だ。

熱も下がってないし、音を聞いたところ喘鳴も少し出ている。