「だ、大地っ!」



「ん?どうしたのそんな慌てて」




ずいぶんと青白い顔をした真鍋が慌てて医局にはいってきたのは、
ちょうどお昼を食べようと財布を持ったときだった。




「沙衣がっ……」




「………沙衣ちゃん、何かあった?」




ふと嫌な予感がしたのは、ついこの間の定期検診に沙衣ちゃんが来なかったから。


俺が担当してからははじめてのこと。
電話もしてみたけど通じなかった。

真鍋がいるから大丈夫だろう、とは思っていたけどもし何かあったら。

真鍋だってずっとそばにいるわけではない。





「………肉じゃが作ってくれたんだよ!」




「………」