「……ありがとう」 「うん」 側から見たらよくわからない会話かもしれない。 馬鹿にされるかもしれない。 だけどそれでもいいって思う。 湊とわたしのふたりさえ理解できるのなら。 「好き、湊」 「知ってる」 お皿の上には少し寂しそうに、ひとつのから揚げが残っていた。