「はい、今大地から連絡あったんですけど、愛永が熱を出したって」




「何度くらい?」




白衣を着ようかと手にかけ、
やっぱり止めたと手を放す。


白衣を着ていたら小さい子は大抵怖がって泣いてしまう。




「昼は37.4℃だったらしいんですけど、さっき測ったら39.6℃って言ってました」




「わ、高い……なんだろう、風邪かな?」




直接診察室に来るという大地を待つために、優苗さんと診察室に向かう。


夜、とはいってもうちは夜間救急もしているので患者さんは絶えない。



待合室を覗くと、診察待ちの患者さんで溢れていた。