「ごめんなさい湊くん、ちょっとだけ診てもらいたいんですけど………」 そう優苗さんに頼まれたのは、 もう帰ろうかとしていたときだった。 特に用事もなかった俺は一つ返事で了解した。 「優苗さん、どっか具合悪いの?」 「いやわたしじゃなくて…」 確かにもし本人ならば、 小児科医の俺に頼む前に真鍋に頼むだろう。 「愛永が……」 「愛永ちゃん?」