せめて夜が明けるまで


目の前に暗い海が果てしなく広がる。

私は立ち上がり、どこまで続くかわからない海に向かってふらふらと歩きだした。


もう朝日のいない世界なんて耐えられない。
それならもういっそのこと、同じところに…


4月の海は冷たい。
波に一歩踏み出すと、一瞬で私の足を冷やした。

冷たい。
でもこれを我慢したら私は朝日のところへ行けるんだ。

私は躊躇なく2歩、3歩と暗い海に踏み出した。