鏡花水月◌˳⚛˚

今日は今村紺と出掛ける予定だ。自然と胸が高鳴る。帰りのHRが終わる合図と共に、今村紺の席へと足を急かした。

「おぉ、千里。」

今村紺は交際を始めてから私の事を“千里”と呼ぶようになった。呼ばれ始めた時、正確に言えばまだ好きではない時は虫酸さえ走ったが、今はもう慣れた。完全な好きという気持ちはまだ無いが、できかけの好きは有る。そこで、私は彼に便乗し、“紺”と呼ぶことにした。

「今日どこいくの?」

「付いてこい。」

ふと、合否発表の日を思い出した。あの日、中学の制服だった私と紺の姿が今の私と紺の姿に重なる。懐かしさを覚えた。