「ちょっと祐二」

「ぶぶぶっ。ルネッサ~~ンス!! だってよ、麻紀」

「祐二ってば」

「オトコは黙って“ふんどし”だってよ。ぶ。俺もふんどし買ってくっかな。麻紀、どう思う?」

「祐二…」

「だけどよ~、ふんどしってどう巻くんだ? 知ってっか?」

「この……天然お笑い芸人がっ!!」

「な、なんだよ、怖い顔して…」

「さっきから祐二って呼んでるの聞こえないの!?」

「あ? 呼んでた?」


 コイツは…

 この…

 常に0から全開バカがっ!!


「祐二! 頼んでおいた“じゃがりんこサラダ味”、買ってきた?」

「え? あ? なんだっけ?」

「あんたまさか…」

「忘れるわけないじゃないの、可愛い麻紀ちゃんのお願いだもの」

「…買ってきたなら何で意味もなくすっとぼけてんのよ」

「いや即答してもつまんないでしょ」

「…つまるつまんないの問題じゃないでしょ」

「冷蔵庫に入れておいたからさ」

「別に冷蔵庫に入れなくてもいいんだけど。買ってきてくれたんだ?」


 さっき唯衣とご飯を食べてきたばっかりだけど、

 やっぱりお菓子は別腹なんだよね~。


 それになぜか昨日から“じゃがりんこサラダ味”が食べたくて食べたくて。

 新CMでやけに美味そうに食べてたんだよね。

 白い犬が。


「どれどれ~~っと♪」


 テレビの前で爆笑する祐二に背をむけて冷蔵庫へ。

 
「あたしの“じゃがりんこ”は~~っと…」


 …って。

 あれ?


 ……おい…