ったくよぉ。

 唯衣の腕の中は、オレって決まってたのにな。


 これから先、

 もしかしたら……


 ずっとこうなるのか?


 う。

 なんか……

 流川に唯衣を取られた気分。



 って。

 良く見ると、

 流川の腕の中にいるのが、唯衣だな。

 
 ということは。

 唯衣の腕の中は空いてるってわけで。



 そんなに心配する必要もないみたいだな。


 なにより。

 こうやって一緒に寝る2人を見るのも…


 なかなかいいもんだな。



 
 先に眠りについたのは、どうやら唯衣。

 流川は、唯衣が眠るまで、ずっと頭を撫でていた。


「カエル、悪りぃな」


 ぼそっと、流川。


 ぶ。ウケル。


 唯衣も流川も、あの仲居さんも。

 みんなオレに話しかけんの。

 
 イイ奴らだな。

 オレ、いいところにもらわれて良かった。


 唯衣に抱かれて寝るのはオレの楽しみでもあるけれど。





 まあ、


 今日は許してやるよ、流川。





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◆スピンオフ
4.カエル編「カエル、ウケル、マナブ」了
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