(ここも追い出されたら、どこに行くんだろ、オレ)


 なんて考えていた日曜の夕方のこと。


「う~ん」


(………)


 ジャージのハーフパンツに、ペタペタのビーチサンダル、

 しま模様のポロシャツを着た男。


「どうすっかな」


 さっきからずっとオレを見てる。

 無精ひげを撫でながら。


「ウケるかもな」


 ぶつぶつぶつぶつ…

 独り言を繰り返してから。


「すみませ~ん」


 店員を呼んだその男は。


「このカエルに交換して」


(へ?)


 オレを指さした。



 げげげげ~…ろ。


 半年待ったもらわれ先が…

 コイツか…


 珍しい男もいるもんだ。

 
 どうせなら…

 若いオネエチャンが良かったな…



 なんて思いながら。


 その男に抱えられて、

 半年ぶりに、外の空気を嗅いだ。