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「じゃあ、今日はＳ字カーブですね」
「はいっ！」
「乗り上げる人多いですから、気をつけてください」
「はいっ！」
「コツをつかめばだいじょ…」
「はいぃっ」
「吉沢さん…あんまり緊張すると失敗しますよ」
「ふぁいっ！」
「…じゃ、この道走ってから、そこのＳ字に入ってください」
「ふぉいっ」
「……落ち着いてくださいね」
Ｓ字、Ｓ字。
文字通りＳ字型のカーブ。
よし。入口到達。
…って、入口もせまーーーっい！
ｶﾞｺﾞ。
「あ」
「入りから乗り上げる人は珍しいですよ」
「す、すみません」
「とりあえず落ち着いて。車幅とタイヤの感覚をつかんでくださいね、今日は」
「はい…」
「どの辺でハンドルを切るとどうなるか。感覚で身につけるしかないですからね」
「む、難しいですね…」
「みっちり練習しましょう」
「はい…」
ふうぅ。
昨日のクランクでも苦戦したんだよね、私…
何度もＳ字に進入して。
何とか通れるようになって。
「はい、まぁ、いいでしょう」
「ありがとうございましたぁ…」
今日のぶん、何とか合格いただきました。
