「どうする?」


 聞いてみれば。

 しばらく考えるその姿。


 …なに考えてんだよ。

 考えるようなことじゃねぇだろ。

 この俺がボディガードをやってやるって言ってんだぞ。


「ちゃ…ちゃんと、ボディーガード、やってくれるんでしょうね?」


 ふ…

 単純なオンナ。


「よし。決まりだ」




 負けた…みたいな顔で俺を上目遣いでにらんでやがる。

 ふん。

 お前のにらみなんて、俺に通用するかってーの。


 
 アイツの淹れたコーヒーは、ファミレスのそれよりも断然熱くて香ばしい。


 これからおよそ一ヶ月。

 このコーヒーが飲めるんなら、

 ボディガードもちょろいもんだろう。





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◆あの日あの時
3.流川編「契約成立日」了
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