肩にかけていたブラジャーを手にし、

 
「……」


 カップの形を整える。


 これもぶら下げればいいんだろ。

 とりあえず両肩のひもをピンチにはさむ。


「しかし…」


 山の高さが低いな。

 俺がつぶしたんじゃねーよな。

 っていうかこんなもんか、ブラジャーなんて。


「まあ、一応」


 興味本位でタグ確認。


 ああ。

 ホントにちっちぇんだな。


「ふ…」


 アイツのカラダに調度いいサイズだろ。




 ベランダの竿にハンガーを吊るす。


「帰ってきたら何て言うんだろうな」


 窓を閉めて眺める洗濯物。


 ピンクのブラジャーと水玉パンツは、

 俺のTシャツの陰に隠れるようにして、こっちを向いてぶら下がっている。




 今日も空が青い。





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◆あの日あの時
2.流川編「アイツの下着」了
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