あまりのかっこよさにドキドキして目を逸らしてしまった。
「(ウゥッ...、なんでこんなにドキドキしてるの。)」

そこからは緊張してあまり話すことができなかった。

風と共に隣に座っている榊さんの香水の匂いが鼻をかすめた。
「(あ、この匂い...、なんか落ち着くなぁ。)」

キラキラして騒がしい周りの雑音が、一瞬でシャットアウトされ、榊さんと2人で居るこの空間だけがゆっくりとした時間の中にあるような錯覚に陥った。