「いただきまーすっ」
学校では絶対にしない大きな口を開けて、綺麗な四角に切り揃えられたフレンチトーストを頬張った。
ふわふわ。卵の半熟加減が程よくて、丁度いい甘さ。
やっぱり、伊吹の作るフレンチトーストはいつ食べても美味しいわ。
「今日も最高に美味しいわ!」
ふふふと笑いながら、こちらへやってくる伊吹に声を掛けた。
すると、伊吹の大きな目がスッと細められ、へぇ〜、と意味深な笑みを浮かべたと思えば。
「一口もーらい」
パクッと、フォークに刺さった私の食べ掛けのフレンチトーストを食べた。
「なっ、なななな…!」
「ん〜。やっぱ俺って天才かな。」
当の本人は、何とも無いような顔をしながらフレンチトーストをモグモグ食べている。
「ななな、何やってるのよ!
いい、今のは……か、間接…キスよ!」
「あれ?由乃、そーいうの無理だっけ?」
「学校ではね!?学校ではフリをしてるのよっ。 でも、まさか…本当にするなんて…」
「由乃。間接キスしたことないんだね。」
そうよ。清潔な女の子は、間接キスなんてしないのよ!
……ていうか。

