「難しいんですね」
「ん~大体わかった」
「何がですか?」
「取る方法」
「え」
神野くんが余裕の笑顔を浮かべています。まさか、本当に取ってしまうんでしょうか…。
そうこうしている間にやって来た順番。500円を入れた神野くんは特に緊張した様子も見せずにボタンを押します。
ゆっくりと下がっていくアームは、ネックレスの箱の位置まで下がるとアームを閉じました。そして、上昇していくアームと共に箱が浮かび上がる。
「え?」
今までびくともしなかった箱があんなに簡単に…。
そのまま出口に運ばれてきた箱はゴトンッと音をたてて落ちる。1度しゃがみこんで景品口から箱を取り出した神野くんは得意気に笑っていました。


