1人ぼっちと1匹オオカミ(下)


「晴野って本当に天然だな。素直って言うのか?」

「バカにしないで下さいよ」

「わりぃ。…晴野もっかいおいで」

「へ?」

「遅刻した罰。ほら」

 両手を広げる神野くんになんで?という気持ちと胸の奥から熱い何かが込み上げて来て、顔がまた勝手に赤くなりました。
 うぅ、でも罰なら仕方ありませんね。

 …でも、意識すると何だか恥ずかし過ぎて、とあるところから進めなくなりました。

 うぅ、どうしよう…。と、考えている間に腕を掴まれて引き寄せられて、抵抗する間もなく、すっぽりと神野くんの腕の中に入ってしまいました。

 理解すると、また顔が熱くなり、心臓がバクバク音を立て始めました。

 うぅ、恥ずかし過ぎます…。