1人ぼっちと1匹オオカミ(下)


 いつもは近いと感じるはずの公園が何だか遠くに感じます。

 うぅ、何でもいいから一刻も早くついてください!

 走り続けて3分ほど、公園が見えてきました。その公園の入り口で、携帯をいじっている神野くんの姿を発見です。

「神野くん!」

「お、やっとき…」

 私を視界にとらえた神野くんが突然絶句して固まりました。

 あれ、なんででしょうか。そう言えばお母さんがデートの遅刻は抱きついて謝ると言っていたような。

 そもそもこれはデートなんでしょうか。
 きっと世間一般ではカップルだけでなく、お友達ともデートするものなんですね。

 いろいろ考えているうちに神野くんはもうすぐです。

 うぅ、本当に抱きつくものなんでしょうか。
 でも、お母さんがそう言うってことはきっとそうです!