「うわぁあああ!!?ごめんなさい!!すぐに準備します!」

『慌てなくていいから、気を付けて来いよ?』

 一旦神野くんとのお電話を切らせていただいて、もう!なんでこんな時に限って目覚まし時計は役立たずなんですか!!

 時計への怒りはその辺にして、とにかく1秒でも早く行かなくてはです。

 クローゼットを開けるとなぜか下着までそろっている一式がありました。

 よく分かりませんが、今は選んでいる時間などありません!
 急いでその一式に着替えを済ませるとこれまたなぜかしっかり準備されているバックを手に取って階段を駆け下ります。

「ねーねちこく~」

「ちこく~」

「あら、やっと起きたの?」

「よも、おはよう」

 リビングに入るとなぜかケラケラ笑っている智希と望亜にお母さん。
 そして、どこか不憫だという様な目で私を見つめるお父さん。