「あ、あの…俺ビンゴです…」
ものすごくおずおずと出てきたのはドアのところにいた男の子です。その姿は生まれたての小鹿のようにビクビクしています。
まさにどうして自分が1番はじめにビンゴしてしまったのかと思っているようですね。
そんな男の子の気持ちに反して、雷斗くんは笑顔で男の子を呼び寄せます。
おそるおそるやって来た男の子からビンゴカードを受け取り、確認すると番号の入っている箱を差し出しました。
「今年の1番はお前だな。遠慮なく命令してやれ」
ニカッと笑った雷斗くんに男の子は顔面蒼白になってしまいました。
なんとか引いたくじは雷斗くんが受け取って、番号を見ます。
その瞬間、場の空気が張り詰めました。
なんだか、緊張します。


