「よもちゃん?」

 ドでかい声と共に激しいエンジン音。
 隣に止まったバイクの主は、ヘルメットを取って顔を見せてくれました。

 もちろん入り口の方から奇声が上がったような…。

「雷斗くん!追試合格できたんですね」

「まぁね。それより、どうしたの?」

「裏口から入ろうかと思いまして…」

「え?…あぁ、あれか。なら一緒にはいろ?ね」

 そう言うのが早いか雷斗くんはエンジンを切ってバイクから降りちゃいました。バイクを引きながら入り口に向かいます。

 うぅ、目線が痛い…。

 雷斗くんは実に堂々としています。そのタフさを分けていただきたいですね。

「雷斗くぅん」

「ねぇねぇ、私たちも入れてぇ~?」

 うわぁ、可愛いアピールがすごいですね。ついでにそれに紛れた殺気のようなビームは私に突き刺さります。

 うぅ、なんて理不尽な…。

 雷斗くんはすり寄って来そうな女の子たちに睨みを利かせながら門をくぐります。

 雷斗くんの隣を歩いて一緒に門を潜ると、なんだかやっとほっとしました。