「待たせましたか?」

「うんや?…それより、よかったのか?」

「はい。…家族水入らずの時間も、必要ですから」

「それ、清牙さんの前で言ってみろよ」

「断固拒否させていただきます」

 真剣な顔をして言ったのに、何だか2人同時に噴き出して笑ってしまいました。

 神野くんは私の手を掴んで、ベンチに座らせてくれました。
 もちろん隣に神野くんも座りました。

 何となく、何も言わずに空を眺めました。
 でも、さっき掴んだ手はそのままで、繋いだ手がとっても温かかったです。

「なぁ、…もう、大丈夫か?」

「…はい」

 約束したことがある。