神野くんの準備が完了するとプロジェクターに写す前に頷いてくれました。

 さてと、どうしましょうね…。

『待たせたな。で、進行はどうすんの?』

「…」

『だんまり?まぁいいけど。ならさ、提案だ。今からあんたら自分がやったこと白状してくんない?』

「ふざけるな!私たちが何をしたと…」

『したから、俺が声を上げたんだよ。分かってねぇの?』

 父親はギリギリと歯を食いしばっています。

 気づいてますかね。マスコミの間に流れる父親への不信感。

 父親の弁護士らしき男が父親を座らせて、立ち上がりました。

「そちらに希望は?」

『いちいち交互に話すのは面倒だ。一気に話したい』

「分かりました。では、どちらが先に話すか決めましょう」

『後半希望で』

「では、我々からお話しましょう」

 この弁護士、もしかして雇われたばかりなのでしょうか。
 もしくは、事件が本物だと信じ込まされている。

 …だとすれば、あの人を納得させれば終わりですかね…。