『随分な歓迎じゃなねぇか。…そんなに俺が怖いか?おっさん』

 会場が静まり返る。

 ドアを蹴り破った神野くんと雷斗くんが余裕の表情で隣に並ぶ。

 会場の中央に設けられた議論の場らしい席。そしてその奥にはお父さんたちの姿がある。

 ぽっかりと空いた父親と対峙する席に向かって歩きはじめる。

 普通ならフラッシュを浴びるかもしれない。でも、誰も何も言えず、動けずにただ視線を私に向けることしか出来ない。

 父親と対峙する椅子の前に立つ。父親の表情は歪んでいた。

『なんだ?どうしてここに来られたかと思ってるのか?心外だな。招いたのはお前だろ』

「どうやって…貴様はまだ外に…」

『あ?なんだよそれ。俺はここに居んだろ?それとも、ここに来るのを妨害でもしてたのか?そういや、入り口にいた奴らも物騒なもん持ってたからなぁ』

 笑ってみせると、歯を食いしばる父親。入り口の方を見ると、報道陣に混じって若さんとお供さんの姿を見つけました。楽勝だったご様子です。

 父親に視線を戻すと、表情を引き締め直し、立ち上がる。

「なら、始めましょうか。議論を」

『そう来なくっちゃ』