12時59分。

 時計を見た大宮怜は気づかれないようにしながらもそっと息を吐くのが分かった。

 やっぱり、議論などするつもりはないか。

 なら、よもたちはどこかで足止めを食らっているんじゃないのか?

 いいや、それを掻い潜るのがよもだ。あの子は必ず来る。

 桃の手に込められた力が増すのに合わせて、痛くない程度に握り返す。

 14時丁度、司会がマイクを持った瞬間、会場の出入り口のドアが会場全体に響かせる音を出しながら開け放たれる。

『随分な歓迎じゃねぇか。…そんなに俺が怖いか?おっさん』

 堂々と現れた少年…よもに会場中の視線が集まった。

清牙side END