ドアが開かれると、大勢の報道陣と関係者たちがいる。
俺が現れたことで報道陣は騒ぎ出す。
カメラのフラッシュが上がる中、奥に向かって歩く。
出入り口の近くには報道陣。そして奥には桃や剣人たちの姿がある。会場の中央に設置された議論の場を囲う様に集う報道陣と関係者たち。
会場の壁には対面された2台のプロジェクターと大型のテレビが四方に設置されている。
桃や剣人のいる傍に連れて行かれると、椅子に腰かける職員。
だが、ここに向かって歩いてくる大宮怜の姿を見つけた俺は座らずにそいつが来るのを待つ。
「お招きいただき、ありがとうございます」
「…この議論が終わり、あんたの罪が認められたなら検察側の求刑を飲むんだな」
挨拶もろくにしなかった大宮はどこか緊迫したように表情を歪めている。
「…えぇ、それが約束ですからね」
「…ならいい。そこで見守っていろ」
大宮はそれだけ言うと、議論する場へ戻っていく。
大宮の側には関口と言う刑事や今回のことで雇ったのであろう弁護士がいる。
プロの相手によもは秋空くんと雷斗くんだけをつけてこの場に望むと俺の弁護士に伝えたらしい。反対したが、聞き入れなかったと。
でも、それでいい。
よもにはよもなりの考えがある。それを信じる。