こんなこと、言わせるなんて最低だ。

 神野くんは何も悪くないのに。
 なのに、背負わせようとしてる。

 こんなに重いものを関係のない神野くんに背負わせるなんて最低だ…。

「…ごめんなさい…ごめん、なさい…」

 誰に、謝ってるんだろう。おなかの赤ちゃんに?それとも神野くんに?

 ううん。違う。
 結局、心のどこかで安心してる自分が憎い。産みたいって、愛せるって自信持って言えない自分も、神野くんにこんなこと言わせた自分も、全部、全部…大っ嫌い…。

 抱きしめてくれる神野くんの腕が震えているのも、肩が濡れてるのも、全部私のせいだ。