「お母さん、どう?」

「いいんじゃない?それで声さえ出さなければね」

 リビングで仕度を整えたお母さんは私の格好を見て、満足そうに微笑んでくれました。
 そのことにちょっとだけ安心です。

 ちなみに今の私の格好はダークブラウンの短髪に櫻高校の男子用の制服姿です。

「ねぇね?」

『さぁ、誰だろうな?』

 不思議そうな顔をする望亜にちょっと意地悪してみると、きょとんとした顔でじっと見つめられてしまいました。