「逃げるぞ!」

 神野くんに手を掴まれ、改札に向かって走り出す。

 改札を駆け抜けるように通り抜けて道が複雑だと思う住宅街に向けて走り出す。

「どうする!?」

「とりあえずまくしかねぇだろ!」

 雷斗くんと神野くんが怒鳴り合う様な声で話しながらでたらめに道を進む。

 少し振り返ると、スーツ姿の男2人はどこかに連絡を取りながら追いかけてきていた。

「晴野、前向いて走れ!」

 神野くんの鋭い言葉に慌てて正面を向く。

 息が上がる。のどが焼けるように痛い。

 でも、立ち止まるわけにはいかなくて、必死に前を走る2人を追いかける。