少しため息をつくと、不意に息が詰まった。

 誰かに監視されてる…。

 つけられた?いいや、今までこんな気配なかった。
 なら、情報屋であることはばれてない…。

「晴野?」

「…次、降ります」

「え?まだ1駅先だよ?」

「…2人とも最悪戦えます?」

 神野くんと雷斗くんの表情が引き締まる。

 さっと視線を巡らせると、明らかにこちらを凝視する2人組の黒いスーツの男。

 気配ダダ漏れになってますね。おそらく、ターゲットだと確信したから気配が出たのでしょうね。

『まもなく××、××駅。出口は右側です…』

 アナウンスが電車内に響く。

 そそくさと降りる準備をする人たち。立ち上がる人もいる。