地元へ戻る電車の中。神野くんと雷斗くんは相変わらず睨みあっていますね。

 正確に言えば雷斗くんが一方的に睨んでいると言ってもいいですが…。

 なんだか正体がばれたら急に騒がしくなりましたね。

「ところでさ、神野はなんで初めからハルって呼んでたんだ?」

「今さらかよ」

「あ!?」

 神野くんのひと言で今にも掴みかからんばかりの雷斗くんです。

「ケンカしないでくださいね?…神野くんは情報屋として付き合いが元からあったんです。それに、正体も知ってましたし」

「ッ!…神野、コロス…」

「やれるならやってみろアホ」

「あぁ!?」

「だから、ケンカしないでくださいって!」

 電車内で大声を出す私たちに少し視線が集まってしまいました。

 …雷斗くんと神野くん置いて行っていいですかね?